独占対談 第16回
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長 伊藤羊一先生
今回のインタビューは動画でもお楽しみいただけます。
是非ご視聴ください。
今回は、『1分で話せ』の著者であり、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長の伊藤羊一先生に面接でのポイントを伺いました。
※2021年度入試内容です。
Q:まずはじめに、武蔵野EMCの面接形式について教えてください
A:総合型入試の面接について申し上げます。
エントリーシートと課題を提出して頂き、そのあと、昨年度の実例で申し上げますと、
数名でのグループディスカッションを1時間ほど行います。
それから個別の面接、これは教員2名に対して受験生1名の形式で時間は20分で行いました。
今後は未定ですが、このような面接形式のフォーマットになると思います。
審査を行うのは学部の教員が2名1組で行います。
Q:学部の先生と面接となると受験生たちは緊張すると言いますか、実際の雰囲気はどのようなものでしたか?
A:他の大学や学部の面接形式はわからないですが、EMCに関して申し上げますと、経営者たちが先生を務めています。
経営者は人を楽しくさせる天才でもあるわけですから、
緊張して面接に来ても、それがほぐれて面接後には皆が笑顔になっています。
これはテクニックによるものではなく、
経営者はそのようにしないと、実際に会社において社員と話すときも社員が社長と面談することに緊張するとそこから何も生まれません。
しっかりと話を聞いてもらうためには、
リラックスした気持ちでいわゆる心理的安全性を確保して、たくさん話してもらうことを実務でやっています。
EMCに面接に来ていただいた方はすごく楽しんでいただけると思います。
もちろん、合格・不合格があるので楽しいばかりではないと思いますが、
入試で課題を出すのもコミュニケーションですし、
面接においてその後の人生にプラスになってほしいと考えているので、おそらく楽しんでもらえると思います。
Q:入試自体が教育になっているのですね
A:そうです。
なぜそういったことをやっているかと言うと、
私自身がYahoo!アカデミアというものに参加経験がありまして、
その頃クラスがたくさんありましたがどれも選抜形式でした。
定員50名の3クラス150名に対して競争率が3倍でした。
おおよそ450名の応募者全員の面接対応を私が行いました。
多くの受験生から、「不合格になりましたが、あの面接でたくさん刺激をもらえました」と言ってもらえたのでそれをやるのが大事なのだと思い、この入試でも取り入れています。
面接と言う機会を通した出会いは一生ものであると思います。
面接は、「受験生本人がどんな思いで来ているか」「大学時代をどう過ごしたいのか?」
そういった個人的なテーマについて話を聞く場なのですが、
グループディスカッションは、
課題に対して受験生が同じチームのメンバーとして、何が一番大事でどういう提案をするか1時間で話し合って決めます。
解決策まで提案するところまでやったのですが、これは非常にみんなが楽しんで取り組んでいました。
いきなり解決策を提示するという難しい事にもみんなが頑張って、
まずアイスブレイクから始まり、話を共有しながら細部を決めていく、
社会における意識決定そのものを1時間で行ってもらいます。
課題としては大変だということを分かっていても、
それが社会においては常に求められるということを知ってもらうためにやっています。
Q:面接では起業家の先生たちと話して刺激を受け、グループディスカッションでは生徒同士で刺激を与えあうのですね
A:あるグループディスカッションでは、
グループディスカッションの最中に自分たちで取り組みたいと盛り上がり、
入学して再会すると言うことが実際に起きています。
Q:再会した学生たちは一緒に行動しているのですか?
A:いやバラバラに行動しています。
おそらくまた一緒に行動する時が来ると思います。
Q:続いてはオンライン面接と対面の面接との違いについて教えてください
A:私たちにとっては、まったく違いはありません。
日常の仕事では対面でもオンラインでも関係なく取り組みます。
受験生の皆さんは基本的に慣れていない方が多いと思いますので、
練習すると良いと思います。
オンラインでカメラに向かって話すので、慣れていなくてうまく話せなかったと言う事があり得るのですが、
慣れれば全く問題ありません。
自分の想いを伝えるためにどうしたら一番良いのか?
盛り上がって体を乗り出して話をしたり、
身体を引いて話す場合もありますし、これは対面でもオンラインでも同じです。
You Tuberの話し方を参考に、「こう話すと盛り上がるかも」と考えながら練習することも良いと思います。
Q:オンライン面接なりの事前準備ですね?
A:自分自身はプレゼンテーションが本職だと考えていますが、それでもオンラインでの話し方をもっと学び高めるにはとやはり日々研究しています。
解散したレペゼン地球のDJ社長(You Tuber)の話し方を見ながら、
「こうすればよいのか」など参考にすることもあります。
そうやって、一つ一つ「どうやったら相手の心の響くのか」という研究をするのが大切です。
オンラインでも対面でも基本的には慣れが必要です。
特にオンラインに慣れるようにしておくことはとても重要です。
私自身がオンラインでも対面でも関係ないと言い切っている理由は、
web会議を10年程行っているので全然関係ありません。
Q:受験生はオンラインでも安心して受験して欲しいということですね
A:私たちはオンラインに慣れている人達ばかりなので問題はありません。
Q:受験生からはどのような質問がされるのか?と聞かれることが多いのですが、確実に聞く質問などはありますか?
A:自分でも考えてみて欲しいのですが、
例えば、「あなたが船長で船に乗りたいという人がいたら、何を聞くか?」ということです。
あなた自身は何者で何を考えているのか、ということですね。
具体的な質問に置き換えると
「あなたは何者か?」
「なんで今ここにいるのか?」
「何をやりたいのか?」
過去現在未来で申しますと、
「何を考えてきたのか(過去)」
「今考えていること(現在)」
「これからどうしていくのか(未来)」
このような内容を聞く場合が多いように思います。
「あなた自身を聞かせてください」というのは、
「あなたの考え」について聞きたいということです。
例えば、「環境問題に取り組みたい」とだけ聞いても、
あなた自身の考えを知らなければわかりません。
あなた自身の軸、これは必ず聞きますね。
と言うように種明かしをしているように思われますが、
そこの文言だけまねしてもすぐに見抜けるので、「自分の生き様」を大事にすることが重要です。
Q:自分自身の人生の歩みをまとめておいた方が良いですね
A:おおよそ17年の人生を、何を考え、何を感じ、どのように歩んできたのかを面接では聞かれます。
今現在でも武蔵野EMCでは自己紹介に時間をかけて取り組みます。
自己紹介は自分の考えや経験を伝える機会ですので、ちゃんと自分を見つめることは重要です。
Q:伊藤先生と言えば著書である『1分で話せ』がありますが、
その中で受験生が使える話し方のコツや、やはり面接は緊張しますので、練習で使える内容を教えてください
A:強いて言えば、書籍で伝えていることは、「話の構造を作る」ということです。
結論を明確にしてそこに至る根拠を3つほど抽出し、
そして、その根拠が明確になっていると緊張していても話せます。
例えば、「牛丼の○○が最高」という結論に、
「早い」「安い」「うまい」という明確な根拠がある。
それらが頭に入っていればどんなに緊張しても答えられます。
その結論と根拠をしっかりと考え準備しておくことが大切です。
ポイントは話し方のコツではなく、考えをまとめて頭に入れておくことです。
それが忘れるようであれば準備としては不十分ですね。
Q:話し方の練習ではなく、きっかけや、過去・現在・未来で話せることをまとめておくことが大切だということですね
A:これは入試に限らず、人生においても絶対に必要なことです。
例えば、「この企画やりたい」と提案したら、
「なんで?」とその目的をマネージャーに問われます。
「売り上げや収益に繋がるし、誰もしていないから未来に繋がるからやりたい」と、
そのようにひたすら、「根拠」と「結論」の手順を踏むことがとても重要だと考えます。
Q:著書『1分で話せ』には、さらに応用的なテクニックについても触れられているのでしょうか?
A:応用的なテクニックのようなものは書いていなくて、ここまで述べてきた内容が詰まっています。
これらの内容ができるようになると、あらゆる状況でも対応できます。
Q:受験生は『1分で話せ』が欲しくなっていると思います。
A:様々なランキングがありますが、『1分で話せ』は就活本部門で不動の1位です。
受験においても役立つ内容と言うことですね。
「就活や面接で使える」などと全く書いていないのですが、『1分で話せ』はNo.1の評価を獲得しています。
Q:最後に受験生に一言お願いします
A:ビビッと心に響くものが武蔵野EMCにあれば、そこを目指して欲しいです。
心に響くものがあったら、まず一生懸命調べて欲しいと思います。
調べてみて、さらに心に響けば応募して欲しいし、
そうでなければ別の大学を探した方が良いと思います。
武蔵野EMCに来て欲しいということより、自分に一番合った大学があると思うので、
自分に合った大学を徹底的に求め続けるという姿勢をぜひ持って、
ビビッと心に響くものがあったら、ぜひ武蔵野EMCを志望して頂けたらと思います。
お忙しい中、ありがとうございました。
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