独占対談 第14回
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長 伊藤羊一先生
今回のインタビューは動画でもお楽しみいただけます。
是非ご視聴ください。
今回は、『1分で話せ』の著者であり、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長の伊藤羊一先生にEMCとはなにか伺いました。
※2021年度入試内容です。
Q:武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の特徴や新設された目的を教えてください。
A:まず経緯からお話ししますと、
私はヤフー株式会社(現:Zホールディングス株式会社)で企業内大学の責任者を務めておりました。
社会人向けにリーダー開発などの教育を行う中で、
「もっと若い頃からこうした教育をやっていたほうが良いな」と思っていたところ、
武蔵野大学の西本学長に出逢いました。
西本学長が持つ「志を持って社会の役に立つんだ!」「世界の幸せを形にするんだ!」という考えが、
僭越ながら自分の考えと似ており驚きました。
そして、「学部を作らないか」というお話を頂き、
若い層から「想いを持って自分の人生を生きていく」そうした学部が作れたらと思い、
このアントレプレナーシップ学部を作りました。
Q:アントレプレナーシップについて教えてください。
A:アントレプレナーシップ、そもそもあまり聞いたことがない方が多いと思いますが、「起業家精神」のことです。
「高い志と倫理観(何が正しいかという想い)」をしっかり持って、
失敗を恐れずに踏み出し、新たな価値を見出し、想像していくマインドだと定義します。
必ずしも起業家、会社を自分で作るということを目指す学部ではありません。
そうした精神をもって自分の想いに従って自分の人生を歩んでいく中で、
単に自分のことだけではなくて、社会に対しても価値を提供していくような学部を作りたいと思っています。
Q:起業家を目指す受験生でなくても入っていただけると言うことですね。
A:まずは、「どうして大学に行くのだろう?」というところから始まり、
「もやもやしているけど、何かやりたい、でもなにをやりたいかわからない」
そのような人に集まってほしいと思っています。
結果として起業する場合もあれば、役所に入る場合もあれば、会社に入る場合もあるなど、色々だと思います。
その時に会社に入ろうと思えば別に入れるけれど、自分で事業を起こしていきたいというと、
それはしっかり学んでいた方がやりやすいと思います。
起業を目指す人は結構多いとは思いますが、
必ずしも起業家を目指している人ばかりというわけではないです。
Q:起業家としての素質も鍛えられるし、そのほかの業種でも使えるような力が得られるのですね
A:そうですね。
「自分で歩いていく、自分の想いや自分の考えでそれを育んで踏み出していく」
ということを学んでもらえたら良いなと思っています。
他の大学と違う特徴があるとするならば、
元々学問とか研究があってそこに研究者がいて学生が集まるのではなくて、学生がそういう風になる。
学生が自分で踏み込んでいく、生み出していくというのを最初から目指しています。
研究に紐づいているわけではないというところが、
世の中に数多ある素敵な大学とは若干アプローチが逆になっているというところです。
研究はあとからやっていくのですが、まずは学生の成長ファーストです。
学生が価値を出していくことを優先して学部を作っているというところが特徴的ですね。
Q:他の大学では研究のために大学に行くということに対し、学生自体に価値を見出す学部ということですね。
A:現実的には、例えば経済学、経営学、社会学文系でもいろいろな学問があります。
それ自体ものすごく重要ですし、私自身も勉強しています。
しかし、社会に役立つために何かを学ぶとすると、
やはり自分の人生を歩いていくというところに対するアプローチが必要です。
ここに徹底して集中しようというところは、非常に珍しいかなと思っています。
カリキュラムの特徴として、「授業の中で起業すると言う事にチャレンジ」します。
それはうまくいってもうまくいかなくても良いので、
とにかく「自分の想いに従って形にして飛び出してみる」ということをやってみると何が起こるか。
社会に出てからやるよりも、学生の間にそれをやって学ぶということが非常に大きな特徴ですね。
そのために、3本柱のカリキュラムと言うのを用意しています。
まず、自分でやってみるという「実践」という柱があります。
やはり人は行動していかないと形になりませんし、進んでいかないと分からないものです。
例えば、文化祭に出店するのでも良いし、eコマースで出店して商売するでも良いし、
ボランティア起ち上げるでも何でもよいので、まずは「実践」してみる。
そして、「実践」は大事ですが、「実践」だけでは足りません。
氷山でイメージして頂くと、水面の上が「実践」です。
要するに外から見えるところですね。
その人の行動力と言うのは見えるわけです。
ですが、その水面の下にはその人の「スキル」や「マインド」が隠れています。
スキルと言うのは、「考えるスキル」「表現するスキル」「コミュニケーションスキル」
それ以外にも、マーケティングやファイナンススキルなど商売をやっているうえで重要なスキルです。
マインドと言うのは、「志」とか「ぶれない軸」とか「やりきる力」とか「倫理観」などです。
この「スキル」と「マインド」の部分を同時に鍛えていきます。
やってみて、振り返って、ハッと気づく。
そうすると自分のスキルとかマインドに入ってくる。
そして、ハッと気づいたらすぐにやってみる。
そうした【実践→行動→確認】と言うサイクルを大学内で回すことができる。
これによりスキルやマインドを鍛えられる。
そうした仕組みが学部のカリキュラムとして成り立っています。
やはり大学としてのしょうがない部分と言うのもあるとは思うのですが、
「大学で学んで、実際にやってみるのは社会に出てから」ということもあると思います。
これはこれで、学ぶということも大事だとしたら良いのですが、
ただ一方で、学ぶだけでは使えないので学んでやってみるということも大切です。
やってみて気づく、そしてまたその気づきが学びになって、それをもう一回やってみる。
これを大学の中でできると、このサイクルが回るわけですね。
私は、「成長は気づきの数である」と考えます。
10年ほど、ヤフーやZアカデミアの社会人向けのリーダーシップの開発をやっていて、
やはり、実行して振り返って気付く、この「気づき」の量が多ければ多いほど成長すると実感しています。
そのサイクルを回す仕組みとが大学の中にあるかないかというのは、すごく重要だなと思っています。
Q:実際にこの学部で学んで卒業していく学生は、どのような進路に進むとお考えでしょうか?
A:企業を必ずしも目指すわけではないと申し上げましたが、
私の想いとしてはみんなが何かしらの形で業を起こしていくといいと思っています。
例えば、ビジネスのスタートアップでもいいし、NPOでもいいし、それから何か知らのプロジェクトでも良いので、
何かしらの自分の想いに従って進んでいくということをやってくれたらいいなと思っています。
結果的に、これはこの会社ではないと実現できないということがあったら、その会社に就職するというのもあると思います。
地方創生を考えた場合に、地域を盛り上げていくためにはやはりこの役所に入るという道もあると思います。
それはそれでよいと思うのですが、いずれにせよ自分の想いで従って進んで欲しいです。
それを表現する方法は起業だけではありません。
「これがやりたいからこちらに進む」というところを目指して欲しいなと思っています。
起業していくということが身近に気軽に感じられて、
「自分の人生を進んでいくにあたって、こうしてみた」という感じで起業してくれたらよいなと思っています。
Q:とにかく、やりたいことができるスキルを学んでそれをするための場所が起業だったり役所だったりいろいろなところに行けるように、ということですね
A:最初の話に戻りますが、「ではやりたいことは何だ?」という質問に対し、
「高校時代からやりたいことがこれだ!」と決まっているのであれば、それをまず突き詰めていく。
まだ全く決まっていないのであれば、大学の中で見つけていく。
いずれにせよ、人には必ず自分の譲れない想い、やりたいこと。
「これが自分の特徴だ!」と言うものがあると思うので、
そこをベースに自分の人生を生きていくといいと思います
Q:このように色々なことが学べる学部ですから、ゼミが気になる受験生も多いと思います。
伊藤先生もゼミがあると思うのですが、各ゼミでは何をされているのですか?
A:教員が現役の起業家です。
イチゴ農家をしている教員や、そのイチゴを使ったお店を東京に出している起業家がいます。
岩佐さんと言う方ですが、岩佐さんが実践の科目でやるのは必ずしもイチゴの話ではありません。
もちろん農業に関してはとても詳しいのですが、他にITの話や、学生がやりたいことをサポートします。
でもゼミではイチゴ農家をやってみての知見を存分に出していただきます。
他にも、エシカルジュエリーをやっていらっしゃる社長やベンチャーキャピタルの社長もいて、
それぞれが自分の専門に従って自分の専門を追求しています。
また、色々なメディアに出演されているのでご存じの方も多いと思いますが、
エール株式会社取締役の篠田真貴子さんにも先生になっていただいております。
篠田さんは女性とリーダーシップということに関して知見をお持ちなので、
「女性とリーダーシップ」という科目自体がありまして、
もちろん篠田さんが担当されたりするのですが、そこをもっと深く突き詰めていくことをゼミではやっています。
ご自身の専門分野 専門領域に突っ込んでいくわけです。
各人の専門領域をゼミで思う存分に楽しんでいただいています。
あとそういう産業ではなくて、柏谷さんという教員がいるのですが、
柏谷さんや私は自分の人生を突き詰めていくというゼミをやっています。
そうすると、授業でやった内容をもっと突き詰めていくことや、
授業でやっていない内容を突き詰めていくことができるので、
色々なタイプのゼミがあってこれは私自身も受けたいと思えます。
Q:起業家ならではのサポートが受けられるということですね。
アントレプレナーシップ学部に入りたいと考える受験生も多いと思いますが、EMCで使える入試制度について教えていただけますか?
A:武蔵野大学の入試スタイルは、ものすごくバラエティに富んでいます。
受験生が色々な事を考えて、色々な形で受けたいということがあるので、
まずはバラエティ豊かな入試のスタイルと言うのを知ってほしいです。
入試制度を大きく分けると以下の3つです。
入試の感想としては、各入試で入ってきた学生たちと1対1でミーティングをしてみて、
入試スタイルによって学生の想いはそれほど変わらないと感じました。
学生の能力もあまり変わりません。
ということは、逆にどの入試で受験した方が受験生の皆さんにとって得とか損とかは多分ないと思います。
また、武蔵野EMCならではの「向いた入試スタイル」というのがあるのではないかと思っていたのですが、
どの入試でも入学してくる人はこの学部に想いをもって入学してくるので、
入試方法はあまり関係ないと思っています。
豊富な入試スタイルの中で、どの入試スタイルが得意かと言うのを見て、選択して頂ければと思います。
起業に興味がある方やEMCに興味を持った方は、ぜひ検討してみてください。
お忙しい中、ありがとうございました。
もし、今回の記事を読んで質問や相談がある方は、ぜひKOSKOS公式ホームページまでお問合せください。
また、KOSKOSではAO入試、推薦入試受験生、保護者を対象に無料個別相談を実施しています。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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