独占対談 第2回
産業能率大学入試企画部部長 渡邊道子さん
今回のインタビューは動画でもお楽しみいただけます。
是非ご視聴ください。
産業能率大学は、1998年に初めてAO入試を導入して以来、従来のAO方式に加えキャリア教育接続方式、AL(アクティブラーニング)方式など、独自の総合選抜型入試方式を展開しています。
今回、産業能率大学入試企画部企画課長 渡邊道子さんに面接のコツを通して難関AO入試・推薦入試に合格する方法についてお話をお伺いしました。
Q: 渡邊さんは今まで面接にたくさん携わってきたとのことですが、具体的にどれくらい携わってこられたのでしょうか?
面接を直接した生徒や事前指導を含めると、3000人くらいの受験生と接していると思います。
Q:面接のプロフェッショナルということですね。面接の際、受験生が言ってはいけないことなどNGな言動について教えて頂けますか?
まず、第一にあげられるのは、「書類の丸暗記」ですね。
Q:志望理由書に書いてある自分の夢であれば答えられるけれど、それ以外の質問に答えられない受験性が多いですよね。
具体的な例で言うと「将来構想についてどんなことを考えていますか?」という項目だとすると、面接でもそのまま聞かれると思ってしまって、書類の内容を丸暗記してくるというケースがあります。例えば「その夢を持ったきっかけ」を聞かれることも、「そのお仕事ってどんなお仕事ですか?」という質問をされる場合もありますが、ちょっと違った角度で聞かれると答えられなくなってしまうことが多くあります。
Q: 練習のときからそれだけを答えようと準備してきたために、アドリブが効かなくなってしまうのですね。その対処法や普段の練習の時に気を付けるポイントはありますか?
私が見てきた受験生の中で【マインドマップ】を作成している受験生がいました。
【マインドマップ】とは、中心に自分が就きたい仕事があったとすると、「その仕事に興味を持ったきっかけは何か?」や「その仕事に就くために必要な力やスキルは?」など取り巻くことをまわりにつなげて枝葉が広がるように書き出していくというものです。
そうした方法で自分の思考を整理できている子は、色々な角度から質問されたときも、きちんと答えられていると感じます。
Q: 自己分析をしっかりとしておくことで面接ではスムーズに会話が進むということですね。
そうですね。
書類を書いていくことでだんだんと興味関心が自分の中でも広がってくるので、そういった部分も良い点だと思います。
Q: 二番目にはどのようなことが挙げられますか?
二番目に挙げられるのは、「視野が狭くなってしまう」ということです。
今言った将来の夢についても突き詰めていくと、どんどん狭い世界に入っていくケースがあります。
例えば、保育士になりたいという生徒がいたとすると「なぜ保育士になりたいのですか?」と質問すると「子供が好きだからです」という理由から先に話題が広がらなくなってしまうケースです。例えば、保育士になりたいということについて世の中に目を向けてみると、「少子化がすすんでいることに対してどのような関りがあるのか?」「共働きの増加と保育士の仕事にどのような繋がりがあるのか?」など。そのあたりなどに少し思考を広げていくと、実は面接官との対話も広がっていきます。
Q: 自分の夢が社会的にどんな意義があるかというところを知っておくためにも自己分析が大切になるのですね。
広いところから自分の考えていることの立ち位置を知ることで、会話も広がってくると思います。
Q: 続いて、三番目にはどのようなことが挙げられますか?
自分の強みがわかっていないケースがあります。
自分の強みが分かっていないということと、その見せ方がわかっていないということと二つ同時になってしまうのですが、
受験生は高校生活で取り組んだ経験や知識をたくさん持っています。
しかし、それがひとつの引き出しだということに気づいていないこともあります。
まずは「自分が今までどんな事に関わってきたか」「どんなことをやってきたか」ということなど、全部引き出しを開けてみるというところからやってみるといいと思います。
Q: 高校三年間ありますから、自分の強みを出せた場面など、何かしら絶対にありますよね。将来的に使える強みに自分が気づいていないことが多いのですね。
まずは全部引き出しを開けてみて、自分なりの思い入れの強さ順に並べてみたり、他の人が聞いた時に興味を持ってくれそうな順番に並べてみたりなど、少し自分なりに開けた引き出しの中身を整理することがとても大事だと思います。
Q:これまでは意識的な話でしたが、面接の際に一発でアウトになる言動はありますか?
面接系の入試の生徒にありがちなのが、「私は勉強が嫌いなので面接系の入試にしました」ということをはっきり言ってしまう生徒がいます。
Q:本音だとしても言ってはいけないことですよね。
やはり面接系だから勉強をしていなくてもよいというわけでは全くありません。
本人も違う表現ができたけれど、緊張してつい出てしまったのかな?とも思うのですが、そういったケースもあります。
Q: 他にもありますか?
面接の時というよりも事前指導やアドバイスをするときによくあることですが、「書類を見てください」と来た時に「これで良いですか?」と持ってくるケースが結構多いのですが、面接系の入試は特に答えが一つではありませんし、また同じような目標があっても人それぞれ見せたいことや伝えたいことが違うと思うので、まずは答えがあると思わないで自分の中の納得解や最適解を自分の中で思考を巡らせて出してもらいたいと思っています。
Q: 最後にNGな言動をまとめていただいても宜しいですか?
一つ目に、書類の丸暗記はやめましょう。
二つ目に、視野が狭くなりがちなので視野は広く持ちましょう。
三つ目に、自分の強みを把握しましょう。
お忙しい中、ありがとうございました。
もし、今回の記事を読んで質問や相談がある方は、ぜひKOSKOS公式ホームページまでお問合せください。
また、KOSKOSではAO入試、推薦入試受験生、保護者を対象に無料個別相談を実施しています。
KOSKOSの認定講師がマンツーマンであなたの質問、相談にお答えします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
質問、相談大歓迎!