独占対談 第3回
産業能率大学入試担当 林巧樹さん 渡邊道子さん
今回のインタビューは動画でもお楽しみいただけます。
是非ご視聴ください。
産業能率大学は、1998年に初めてAO入試を導入して以来、従来のAO方式に加えキャリア教育接続方式、AL(アクティブラーニング)方式など、独自の総合選抜型入試方式を展開しています。
今回、産業能率大学入試担当の林巧樹さんと渡邊道子さんに、面接が苦手な受験生でも難関AO入試・推薦入試に合格する方法についてお話をお伺いしました。
Q:本日は面接系入試の噂話をお聞きしたいのですが、まず、「面接の際、合否が10秒で決まってしまう」というのは本当なのでしょうか?
林:よく聞かれますが、10秒というのは正直嘘です。
10秒というのは嘘ですけど、「1分」は本当です。
全部ではないですが、逆に言えば1分くらいで結果的にはかなり分かれ道になると思います。
Q:最初の一分間はよく見ているぞ、ということですか?
林:もちろんそうですね。
10秒というのは、身だしなみとか面接マナーのことをいっているのだろうと思うのですが、今はもうそんなことないよね?
渡邊:そうですね。みんなちゃんときれいな格好をしてきますし、誠意を見せた格好をしてきています。
林:もっと古い話ですと、ルーズソックス。今の子は知らないかもしれないですけど。
「ルーズソックスだからだめ」「ピアスの穴があいているとだめ」など。
都市伝説ではないですが、面接伝説で「10秒で決まる」というのはあったと思うのですが、今はあんまりそういったことはないと思います。
Q:もうそのような子はいないという感じでしょうか?
渡邊;そうですね。はじめから見た目での印象が悪いなということはあまりないですね。
林:他の子が99%きちんとしているので、ドアのノックの仕方や、髪の毛を染めてます、ピアスつけまくってます、鼻ピアスもつけてます。みたいな子だとそれはちょっと「アカン」となりますね。
Q:先ほどノックの話があったのですが、ノックの回数もマナー的にはどうなのか気になると思うのですが、これについてはいかがですか?
渡邊:「ノックの回数は2回なんですか? 3回なんですか?」とよく聞かれることがあります。2回だとトイレのノックだと指導されているということもありますが、実はノックの回数は面接官としては全く気にしていないというのが正直なところですね。
林:よく練習しすぎている高校生だと、面接官から「どうぞ」と言われた後に「お入りください」という言葉があってからノックしろと教え込まれているせいで、「どうぞ」しか言わないとずっと待っている子もいます。
Q:ほかに噂話や都市伝説のようなものはありますか?
林:「10秒は嘘だけど、1分は本当です」と申し上げましたが、1分は本当だよね?
渡邊:そうですね。たとえば面接のはじめに和ませるために、「今日は面接会場まで来るのにどれくらい時間がかかった?」と聞くのですが、
「どれくらい時間がかかった?」って聞いているのに「今日は家を何時何分に出てこういう経路で来ました」みたいな話に変わっていてしまうなど。
こちらとしては会話をしようと思って投げかけた言葉に対して全く違う答えが返ってきて、今の質問聞いてなかったのかな?と思ってしまうようなケースはあります。
林:みんな緊張していてその緊張を僕らはほぐそうとするのだけど、いくら緊張していてもやはり聞かれていることに的確に答えられない適切に答えられないとなると、そもそもが面接というものを楽しもうと来ていないな、と思ってしまいます。
渡邊:「今日は楽しかったです。」と、最後終わるような面接も中にはありますね。
また、和ませるという意味では書類の聞いている順番ではなくて、例えば高校時代の取り組みからさきにきいてあげた方がこちらとしては話しやすいかなと思って話を振るのですが、書類の順番通りでないと途端に固まってしまうケースがあります。
その辺がやはり1分で何となく伝わってきますね。その子が丸暗記タイプかというのも見えてきます。
林:例えば、30分の面接は長いですが、はじめの1分で良い印象を持った子だと、残りの29分が良い印象から始まります。
逆に「暗記しているの?」「決められたことしか答えられないのかな」「そもそも質問したことをちゃんと聞いていない」など、最初の1分で悪印象を持つと、そこから29分になるので「最初の1分で実質合否が決まる」ことにつながります。
ですから、「1分で決まる」は本当なんです。
渡邊;最初は志望動機を聞かれるケースが一般的には多いのかなと思うのですが、そこの部分「が学びへの関心」が含まれているかどうかといのも大事だと思います。
本学の場合は、こういう私たちみたいな職員と教員がペアで面接をするという形に基本的にはなっています。ただ一般的な大学は教授や教員が面接官というケースが多いのと、「自分の授業をちゃんと聞いてくれそうかどうか」とか、「関心があるか」というところをすごく重要視しているケースがあるので、例えばいきなり、「先輩が楽しそうでこの学校がいいなと思いました」というような話だと不安に思う方もいると思います。
林:あと噂話で最初の10秒はこだわられることが多いのですが、最後の10秒を実はこだわっていないケースが多いです。
「最後の10秒も本当」なんです。
Q:「最後の10秒」ですか?
林:「じゃあこれで面接終了しますね。」となり、立ち上がって出て行かれるわけですけど、そのときに実は我々面接をしている側は「この子を合格にしようかあるいは不合格にしようか」とすごく悩んでいる子がいます。その子に「じゃあこれで終わりにします」と言ったときに、どうやって席から立って退出していくか、お辞儀をどうするかまでよく見ています。
渡邊:最後って面接が終わったところなので1番気が抜けて素が出るところでもあるんです。
林:そのときに面接で使った椅子あるいは机をきれいにする。本当に面接楽しかった。みたいな感じでお辞儀をして明るい笑顔で出て行くか、疲れ切って死んだような顔をして出て行くか、開けて出て行くときにもうドアを閉めもしないという子もたまにいます。
そうすると合否どっちにしようかなと思っている子のときには、きちんとしている子だと「この子はやっぱりいいな!」と思って合格にするということもあります。
渡邊:以外と普段の生活習慣が最後に出てしまいます。
林:面接はよく「最後まで気を抜くな」と言われますが、それは本当です。
Q:次に、「圧迫面接」についてですが、怖い面接官がいたとか厳しい言葉を言われたというのは実際にあるのですか?
渡邊:うちは正直あまりないですね。
林:ないですが、その子の捉え方もあると思います。
渡邊:そこが大きいですね。
林:同じことを切り口を変えて質問することがあります。
その子が言っていることが本当に自分の言葉なのかどうかちょっと怪しげで、「面接の練習であるいは大人からそういう風に言うといいよみたいに言われたのでは?」と感じるときがあります。
「さっき聞いてることと同じじゃん」とその子は思うかもしれないけれど、
僕らはいろんな方向から聞いて、その子がどういう風に理解し解釈して答えられるかというところを見ようとするのでそれを圧迫面接だと思ってしまう可能性はあると思います。
渡邊:今の話だと「先ほども言いましたが」というのを何回も使う子がいます。「さっきも言ったのに何でまた聞くんだろ?」という風に捉えちゃっているんのですが、そうではなくて「もっと本音が聞きたいよ」とか、「まだちょっと聞いたことに答えられてないよ」というときに、「もう一度聞いたら答えてくれるかな?」「さっきは緊張していえなかったのかな?」ということで、もう一度にたような質問を投げかけることは正直あります。
そのときに「さっきの言ったことはちょっと期待されてないことを答えちゃったのかな」と思って切り替えてもう一度さらっといえる子と、「先ほども言いましたが」という風になってしまう子がいます。
林;圧迫面接と感じるときはその子に期待しているケースですね。
もともと我々はその子のプロフィールを見ていますから、「期待したい」と思う子はいるわけです。
そういう子にはやっぱり結構いろいろ厳しく聞きます。
渡邊:それはありますね!
林:「厳しく聞かれる圧迫面接の方が可能性があるんだ」と思った方がいいかもしれないです。
だから、それに打ち答えられたらまず受かると思った方がいい
Q:「厳しくされたたら自分は期待されていると思う」と言うことですね。
林:そうですね。厳しいなと思ったら「あ、期待されているんだ」と思ってくれた方がよいです。
お忙しい中、ありがとうございました。
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