
独占対談 第20回
産業能率大学入試担当 林 巧樹さん 渡邊 道子さん
今回は、産業能率大学で長年入試担当を務めている林さんと渡邊さんにお話を伺います。
産業能率大学の総合型選抜には色々な方式があります。
受験生の皆さんはどれを受けていいのか迷ってしまうと思いますので、
今回は林さんと渡邊さんにそれぞれの方式について徹底解説していただきました!
今回のインタビューは動画でもお楽しみいただけます。
是非ご視聴ください。
Q:それでは、宜しくお願い致します!
林さん:産能大の総合型選抜は変わった名前が多いので、
どういう人が向いているかというのを普段オープンキャンパスでも話さないネタをお伝えしたいと思います。
私は入試担当歴26シーズン目、登板過多になっている林でございます。
宜しくお願い致します。
渡邊さん:私は21年目についになってしまいました!渡邊です。
宜しくお願い致します。
林さん:それではまず、本学総合型選抜は4パターンあるのですが、
最初に作ったのが「AO方式」です。
※Admissions office(入学事務局)の略
これは1998年に作りました。
大まかにどんな入試なのか、渡邊さんご紹介お願いします!
渡邊さん:AO方式は実は、「書類」と「面接」だけの入試です。
とってもシンプルですから、他の総合型の方式と比べて評価方法が少ないので、
これが楽なんじゃないかと受験生が集まってくるのがAO方式です。
しかし、実は出してもらう書類の分量が一番多いのがAO方式なのです。
書類の分量が多いということは、事前に準備ができている部分があると思うので、
結構じっくり準備したい人はAO方式が向いていると思います。
特に面接では将来構想やそれに紐づく学びということを問われる入試方式です。
林さん:そうですね。AO方式は1番底を面接で重要視しているし、
AO方式だけはどんなことがあっても面接をきっちり30分やります。
あと、産業能率大学の特徴として、「経営学部」の場合は課題があります。
渡邊さん:AO方式の子が二の足を踏むのが、
「自己記述書」という書類の中に、「課題研究レポート」というものがあります。
その「課題研究レポート」が、
社会課題をテーマにA4で表紙を含めて8枚レポートを書いてもらうものなのですが、
ただこれを重いと感じるか、楽しいと感じるか。
ここが意外と合否の分かれ目だなと私は思っています。
出す課題というのは、うちの大学でこういうことをやるというのを発信するのも入試の役割だと考えていますので、
こういうのが楽しくないと入ってからも楽しくない。ということをメッセージとして出しているということですよね。
林さん:去年や一昨年の課題を全部公表しているので、
「面白そうだな!」「8枚か…でもやれそうだな!」と思ったら、
向いているのではないかと思います。
渡邊さん:AO方式は特に「1番自分と向き合う入試」です。
書類も自分で作りますし、当日は面接官としか基本的に会いません。
そういう意味では、自分と向き合って自分対誰かというだけの入試というのが特徴です。
林さん:次に「キャリア教育接続方式」についてですが、
これは2007年に作った入試方式です。
この入試は何かというと、プレゼンテーションと面接を行う入試です。
AO方式に比べれば自己記述書の量は3分の1~4分の1程度です。
何が大変かといえば、圧倒的にプレゼンテーションです。
今の子はほとんどがパワーポイントで作って、メモを見ないで暗記をして臨むというパターンが多いです。
渡邊さん:高校生がパワーポイント作れるのはびっくりしますよね。
林さん:最近は情報の授業で高校でもやられているみたいですが、
キャリア教育接続方式のプレゼンテーションのパワーポイントを苦労して高校3年生の夏に作ると、こういうスキルは1回覚えると忘れないので、
大学生なんかよりもよっぽどパワーポイント上手だよね。
渡邊さん:そうですね。キャリア教育接続方式で入った子は入った後にそういう優位性がありますよね。
林さん:何が一番の強みかというと、「プレゼンテーションのテーマを自分で決められること」です。
課題が与えられるわけではなくて好きなことをやる。
しかし、好きなことと言っても、
それが自己の将来構想に基づく「問題解決」のプレゼンなのですよ。
簡単な例を言ってしまうと…
今から14~15年前に、「将来お菓子作りの商品開発をやりたい」という子が、
「納豆を外国人に食べさせるにはどうしたらいいか?」といって、
納豆をドライフーズにして浅草で外国人に食べさせて、
その感想のデータを持ってきたことがありました。
そのドライフーズは美味しくなくて大失敗という結果でしたが、
その子は今、本当に商品開発をしています。
このように、キャリア教育接続方式で入った子は、ものすごく自信を持てます。
「自分を変えたい」とか「入試で自分を成長させたい」という、
そういう想いを持った子には向いている入試だと思います。
倍率も一番低いですからね。
毎年、2倍切ります。
なぜかというと、プレゼンテーションが嫌で受ける子が少ないからですね。
狙い目は狙い目ですが、プレゼンをやる覚悟も必要だという感じですね。
渡邊さん:続いて「AL方式」という入試方式についてご説明していきます。
※AL:アクティブラーニングの略
AL方式は「書類」と「グループ討論」、
「当日書くレポート作成」とさらに「面接」という入試になっています。
当日、グループ討論をするというのがハードルと思われるところですかね。
ただ、テーマは毎年高校生がとっつきやすいテーマになっています。
今年であれば、「フードトラックのメニューを考えよう」とか、
過去には「夕食でパンを食べてもらうにはどうしたらいいか」
パンの消費量を上げるための課題など、
少し思いつきそうだなというのが課題になっています。
この入試は、高校時代に部活動が忙しかった子におすすめです。
AO方式より書類の量は少ないし、
キャリア教育接続方式のようにプレゼンを作らなくてはいけないということもありません。
書類を出したら当日来て当日やることが多いのですが、
グループ討論は4~5人くらいのグループで行います。
課題を出されて自分が真っ白になって思いつかなくても、
周りの子がいいアイデアを出してくれたらそこに肉付けをしていったり、言ってくれたことで新しいアイデアが生まれたりとかで、結構活性化していますよね。
林さん:この入試、実は部活が忙しい子や、冬までやる吹奏楽部、合唱部とかの子が多いです。
それは、早く入試をおわらせて部活に専念したいからという理由もあるのでしょう。
ある種、ぶっつけ本番みたいなところがあるので、
そういう子にはすごく向いていると思います。
グループ討論があるから「お喋り好き」じゃないと向かないとかあると思いますか?
渡邊さん:全然そんなことはないです。
そういうタイプの子ももちろんいますね、人とコミュニケーション取るのが大好きという子もいますが、意外とそうでない子が多いのも特徴です。
どのグループにも必ず話し出す子がますね。
実は、入試の前に入試対策となるようなプログラムを用意しています。
そこに1回参加している子がほとんどなので、
グループ討論ってみんながリーダーをやるわけではないとか、
役割分担があってタイムキーパーをするような子もいれば、
模造紙を書くような子もいます。
「自分の役割を探していこう」というところがあると思いますね。
林さん:さらに「当日勝負!」みたいな方式もありますね。
渡邊さん:「MI方式」併願型ですね。
※マーケティング・イニシアティブの略
林さん:今までの3つは専願型です。
東京の私立大学さんってほとんどが専願で、「受かったら入学する」という約束の中で行っている入試ですが、
この「MI方式」は「併願OK」です。
産能大のAOとかキャリア教育接続方式とかAL方式とかを併願することも可能だし、
他大学の総合型選抜を併願することも可能です。
もっと言えば手続きは2月の下旬まで待つので、
産能大のMI方式の合格通知を持っておいて他にチャレンジすることもできます。
一番特徴的なのは、「必ずしも第一志望でなくてよい」というところです。
例えば、「産能大のキャリア教育接続方式だけだとちょっと不安」とか、
「別の大学のAOだけだとちょっと不安」とか、
そういうのを含めて考えてもらえるところがメリットだと思います。
渡邊さん:「MI方式」のマーケティング・イニシアティブとは?
林さん:マーケティング・イニシアティブっていう新しいプログラムがあります。
それを受けたい人というのが、求める人材ですね。
面接も20分くらいやるので、マーケティング・イニシアティブというプログラムを受けたくなかったら、やっぱり駄目ですね。
当日は、「社会課題に関するレポート」を書いていただくのですが、
これが実は「スマホ持ち込み可」です。パソコンでも何か一つはOKです。
もちろん検索だけを認めています。
去年のテーマは「食品ロス」でした。
渡邊さん:結局「スマホで調べていいよ」ということは、
何か覚えていなきゃいけないということを問うているわけではないということですよね。
林さん:そうですね。「食品ロス」という問題に対して、どういう解決策をそこから考えられるかをA4用紙2枚くらいのレポートだったと思いますが、90分で書いてもらいます。
事前準備もすごく少ないので、部活やっていた人もそうですし、
一般選抜の勉強をしている人でもOKだし、いろんな人に向いているかなと思いますね。
渡邊さん:今は高校でも「SDGs」を題材にして学びをしているところも多く、
親和性は高いかなという気はしています。
林さん:そうですね、SDGsとに興味があったら向いていると思いますね。
林さん、渡邊さんありがとうございました!
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